タイムCMの基礎知識


タイムCMという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

この言葉に興味ある方はひょとすると企業の宣伝担当、広報担当の方かもしくは広告代理店の方でしょう。

タイムCMとは「特定のテレビ番組で流れるテレビCM」のことを言います。

今回は誰もが見たことがあるタイムCMについて解説します。


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タイムCM

タイムCMを特定のテレビ番組で流れるCMと説明しましたが、もう少し詳しく説明すると番組のスポンサーとなりそのテレビ番組みで流れるCMになります。

スポットCMとタイムCMを見分ける方法としては番組の最後に「この番組は○○の提供でご案内しました。」と流れる会社、サービスのCMはタイムCMとなります。

※スポットCMが分からない方は下記を参考にしてください。

スポットCMを解説した記事: スポットCMの基礎知識

 

また、タイムCMにはスポットCMとは違う下記のような特徴があります。

  • CMを全国(または特定地域)に一斉配信することができる。
  • 安定した視聴率が見込める。
  • 30秒以上のCM枠を利用できる。
  • 番組が人気になることで目的とする訴求対象に効率よく情報を届け、購買者層の拡大が狙える。
  • 番組イメージの企業イメージへの反映が狙える。
  • 社内PR効果や流通PR効果を期待できる。
  • 番組、番組内のキャラクターなどを利用できる。
  • 番組の前後に提供表示を出すことができる。

ただし、タイムCMには下記のようなデメリット・制約もあります。

  • 競合他者の問題で希望する番組にCMを実施できない可能性がある。
  • 原則6ヶ月契約のため、固定費がかかる。

タイムCMは30秒以上のCMを放送できますが、秒数によって細かいオプションがあります。

提供秒数 画面表示 音声
30秒 社名または商品名 「ご覧のスポンサーの提供」とアナウンスするだけで、
社名(商品名)の告知はなし
60秒 マーク、社名または商品名 社名または商品名をアナウンス告知をする。
90秒 マーク、社名または商品名
(キャッチフレーズも可能)
簡単なキャッチフレーズを含む社名または商品名の
アナウンス告知
がある。

ネットタイムCMとローカルタイムCM

タイムCMには放送地域によってネットタイムCMローカルタイムCMの2種類があります。

ネットタイムCMは全国放送の番組で流れるCMになります。全国放送番組は主にはドラマや19時以降に流れる情報番組やバラエティー番組になり、東京、大阪、名古屋で制作されることがほとんどでその他の地域では制作はされません。そのためネットタイムCMは東京、大阪、名古屋のテレビ局で販売されています。

ローカルタイムCMは地域限定の番組で流れるCMになります。地域限定番組は地域情報を紹介する番組で東京でしたら土日に放送される番組(例えば王様のブランチなど)になります。

また、ローカル番組(地域限定番組)は全てのテレビ局で制作されており、全ての局がローカルタイムCMの販売を行なっています。ローカル番組は地域に根ざした番組を制作するため地域貢献という意味合いもあります。現状ローカルタイムCMは地場のスポンサー向けに販売をされていますが、今後は全国規模のスポンサーにも販売される可能性もあります。

販売料金と料金体系

タイムCMの料金はスポンサーの希望、空き枠、継続枠、時期により変動することが特徴です。

また、内訳はネットタイムの場合 電波料、ネット費、制作費によって構成されます。(※スポンサーは意識しなくてもいい部分ですが。)

電波料は番組を放送するためにかかる費用でテレビ局のタイムランク(時間区分)と提供時間によって個別に決まります。タイムランクとは総世帯視聴率の高い順番に放送時間帯をA、特B、B、Cのランクに分けたものです。

ネット費は番組をネットするためにかかる費用で通常はNTTのマイクロ回線を使用する場合の費用です。

制作費は番組を制作するためにかかる費用として提供スポンサーがテレビ局に支払う費用です。ただし、著作権法により番組の著作権は制作したテレビ局に帰属する基本であり、スポンサーに著作権があるわけではありません。

競合他社とテレビCM

過去にはテレビ放送は1番組1社提供が通常でしたが、現在ではほとんどが共同スポンサーで組まれることになります。同じ業界の企業が同じテレビCM枠に競合した際は下記のような対策をとります。

CMポジションによる調整

仮にA社とB社が同じ業界だった場合 A社→C社→B社とA社とB社の間に業界の異なるC社のCMを流すことで回避します。

商品調整

テレビCMでプロモーションする商品、サービスが同じカテゴリーの商品にならないように調整することで競合しないようにします。ただし、こちらの方法は先行していたスポンサーの意向が優先される傾向にあります。

提供交替

番組の前半、後半で提供スポンサーを分けることで同番組での競合をなくすことができます。

「ここまではA社、B社の提供でお送りしました。ここからはC社、D社の提供でお送りします。」 といったものを見たことはないでしょうか。これが提供交替になります。人気番組や単発番組、長尺番組においてこのような手法を用いられることがあります。

CMフォーマットによる調整

提供のない番組のCM、オープニング前に放送するCM、番組のエンディング後に放送するCMに調整を行うことで競合の解消を図ります。

レギュラー番組のCM

タイムCMは6ヶ月間(※番組が放送される基本2クール分)という長期にわたる契約を結ぶため、その販売料金(提供料金)の設定はテレビ局の営業にとって売上アップの重要な要素になります。そして、レギュラー番組のセールスはテレビ局の営業売上の大きな割合を占める重要な商品となっています。

1つの番組における販売枠には限りがあるため、番組への需要が高まると販売料金がアップしていきます。レギュラー番組セールスにおいて販売料金の高い番組が多ければ多いほど、営業売上は高いレベルで長期間(6ヶ月間)安定することになります。

そのためタイムCMを出稿するということはテレビ局に広告主の存在を強く意識づけることになり、間接的に自社の存在をテレビ局に知らしめることができます。

また、タイムCMを出すにあたって会社全体のプロモーション戦略として下記のようなことを検討する必要があります。

広告主のCM露出計画

広告主は自社商品を宣伝する際、年間を通じてCMを露出する商品、季節的に露出する商品、新商品を検討します。タイムCM、スポットCM合わせての宣伝計画の中で、どのCM枠でどの商品を宣伝するかを組み立てていきます。

1社提供番組の特徴

共同提供番組以上に番組内容とスポンサーの意見の距離が近いため、番組スタート時に制作スタッフに対し、広告主の抱く番組イメージ・希望視聴率などをレクチャーします。また、広告主が番組収録に立ち会ったり死者をすることがあるので制作スケジュールのが把握が必要となります。

先方決定&契約成立

タイムセールスにおいて「先方決定」略して「先決」という言葉をよく使います。これは広告主が番組提供を決定したことを言います。「先決」を受けた曲の営業マンは番組の販売枠を確保して初めて契約成立となります。人気番組であるほど空き枠(販売可能枠)数を上回る「広告主の先決数」が入ることも多く、「先決」の広告主が当該番組に提供できないこともあります、そういう場合は担当営業が代替案などを提示しフォローを行います。

年間スケジュール

テレビ番組をセールス商品とするテレビ局は番組編成のスケジュールを考え年間スケジュールを組むことが多いです。

番組編成の変更(改編)は4月、10月の年2回あり、セールスの基本期間は2クール(6ヶ月間)は上期4月〜9月、下期10月〜3月となっています。4月改編のセールス活動は各番組のレギュラースポンサーが4月以降も引き続き番組提供を続けるか否かを確認することから始まります。

そのため特定の番組にCMを出したい広告主はその前に広告代理店を通じてCMを出稿したい旨をテレビ局に伝えることが好ましいでしょうか。(※CM枠に空きが出た場合に空き情報を早めに取得することができるため)

レギュラー番組の改編期セールスは商習慣として、提供中のスポンサーの継続確認が新規スポンサーの参入より優先されます。この作業は1月下旬から2月上旬にかけて行います、継続確認の際は必ず4月以降の提供料金交渉をします、ある時期までは継続確認と並行して新規セールス活動を行うことになります。4月(春)、10月(秋)改編期での人気番組のセールスは2ヶ月前にはほぼ完了します。

広告主の新年度の宣伝計画

レギュラータイムセールスは6ヶ月間の固定費を必要とするため、広告主にとっても年間宣伝計画の中で大きなウェイトを占めます。4〜3月の会社であれば新年度の宣伝計画は前年度の1月におおよそ作成されます。契約成立のための広告主への提案作業はこの時期までに最終段階に至っていなければなりません。テレビ局、広告代理店、スポンサーの3社がそれぞれのスケジュールを把握しておく必要があります。

特別番組セールス

特別番組セールスとは3〜4月、9月〜10月の期首期末、年末年始などの時期や大型スポーツイベントの開催に合わせ、レギュラー編成の一部を休止して特番を編成、セールスすることを言います。特番はスポーツ番組、バラエティー番組、歴史ドラマ、日本・世界を巡る紀行番組、報道番組まで様々なジャンルがあります。

特別番組のセールス方法

例えば3月の期末編成のためゴールデンタイムの番組編成が番組A、番組Bが休止になり特別番組が放送されるとします。この特番のテレビCM枠の販売方法は2通りあります。

1つ目はレギュラー番組A、Bのスポンサーを休止して、特番全ての販売枠を新規セールスする方法です。この場合 特番の提供料金は制作費との兼ね合いでレギュラー番組の1回分の提供料金より高くなることもあります。ミニ番組が休止となるのでその文も新規セールス枠として活用します。また、2時間規模の番組では提供交代をすることも多くあります。

2つ目はレギュラー番組のスポンサーに対し、優先的に特番のセールスをする方法です。この際 提供料金はレギュラー番組1回分と同じ金額か高い金額になることがあります。同じ金額の場合は「振り替え」と言います。新規セールスをする際は番組Aと番組Bの提供スポンサーの振替動向を確認し、空いている数、競合などに注意しながらセールスを進めていきます。

プロ野球ペナントレース・ナイター中継

レギュラー番組を休止して特別編成するという意味でプロ野球ペナントレースのナイター中継は3月末から9月末まで長期間にわたり各局で放送される珍しい番組です。ナイター中継のセールス方法は各局により異なり、レギュラー番組の提供スポンサーをナイター中継に振り返るケースとレギュラー番組の提供スポンサーを休止してナイター中継を独自にセールスするケースがあります。

延長セールス

試合時間が定められていないプロ野球中継などでは予定放送時間枠を延長して中継を続けることがあります。この延長部分を事前にタイムセールスすることを延長セールスと呼びます。

大型スポーツ番組

大型スポーツ番組は制作費(放送権利金等を含む)がレギュラー番組を上回るため、提供料金もそれに連動して高価なものになることが多いですが、それだけで視聴者の注目も高い番組になります。

箱根駅伝、世界陸上、Fー1、Kー1、世界水泳、ゴルフ4大メジャートーナメント、テニス4大トーナメントなどは視聴者に対するテレビ局のイメージアップを担うものとなり、高視聴率だけではない特別な番組です。こうした国際的な大型イベントでは広告会社の買い切りセールスとなるものがあります。

買い切りセールス

テレビ局が1社の広告会社と番組の総販売枠を一括契約するセールス方法です。広告主へのセールス活動は広告会社が責任を持って行います。一部の大手広告代理店が行っていましたが、メディアの多様化により現在はそこまで多くないようです。

オリンピック(五輪)・サッカーW杯

夏季・冬季オリンピック、サッカーW杯など放影研が高騰し1つのテレビ局では権利交渉が成立しないイベントは民放とNHKが共同で国内放影研を獲得するものもあります。

ゴルフトーナメント中継

ゴルフトーナメント中継のように番組名に広告主めいがつくことがあります。ゴルフ番組に限らず、番組名に広告主名・商品名などが冠としてつけることで付加価値をつけるセールスを冠セールスと呼んでいます。

冠セールス

番組名に広告主の社名、商品名など番組内露出の多いインセンティブをつけるため、適応条件は通常のテレビCMより高価なものとなります。冠スポンサーは番組の番組の販売枠の大半を提供する等、多額の提供料金を必要とします。細かな適用条件は様々になります。

ゴルフトーナメントには3〜4日間の予選、決勝ランドの直前に「プロアマ」と呼ばれるエキシビジョンがあり、冠セールスの付帯サービスとして提供スポンサーはこれを自社の販売促進ツールとして活用する機会を得ることとなります。また、ゴルフ中継は天候に左右されることが多く、トーナメント自体が雨天中止になることやラウンド途中で打ち切られることがあります。こうしたことに備えて政策的には事前に別番組やゴルフ関連番組を用意します。営業的には予定していた番組の提供スポンサーが別番組を提供することとなります。

上りネット

トーナメント開催地が全国各地で行われるゴルフトーナメントの中継では開催地の地元局が発局(放送・セールス責任局)となって、全国ネット番組を放送することがあります。これを「上りネット」と言います。

イベント番組

テレビ局がイベント(興行)を構築する際、事業局と営業局が連動し、興行のみならず番組化・ソフト化(ビデオ・DVD・出版など)を見据えて権利獲得交渉をします。権利獲得後にイベントスケジュールと番組放送日時を決め、イベント協賛と番組提供のセットセールス条件を決定します。ただし、大型イベントの場合 イベント開催時の1年以上前からの構築となることが多いため、この段階のスケジュールは想定となることもあります。イベント・番組セットで全てのセールスを完了できればベストですが、広告主サイドの負担もそれだけ大きくなり、部分的にイベント協賛と番組提供を分けてセールスすることもあります。

こうしたことからも分かるように、テレビ局がイベントを構築する際 事業部門と営業部門が関係を密にしてセールス活動をすると広告主からイベント協賛、番組提供という「より大型な契約」を取り付けることができます。また、こうした提案は大きく高品質なものであればあるほど高価的な提案材料になります。

テレビCMを購入するにあたり重要なこと

テレビCMはわかりやすい反面、効果であるため十分に納得して利用したい広告商品です。

テレビCMを成功に導くためにはテレビ局の営業とスポンサー、広告代理店の担当者は下記について検証する必要があります。。

  • テレビ広告の商品特性は何か?
  • テレビ広告では達成できないものはあるか?
  • 他局のテレビCMの特性は何か?
  • 広告主の宣伝戦略と合致しているか?
  • 現状の提供番組はあるか?併用するのか、切り替えるのか?
  • 商品ラインナップの中から正しい商品を選択できているか?
  • 宣伝予算について不足することはないか?

また、各テレビ局やスポンサーのマーケティング部からの情報も大変有効になります。

その上でスポンサーと代理店はなにが必要かを考えます。

  • レギュラーの共同提供番組がいいのか?
  • 1社の提供番組がいいのか?
  • 特番の1社提供番組を構築するのか?

提案内容を実現するためには局内(営業・事業・編成・制作・技術など)、局外(広告会社・制作会社など)のさまざまな人たちと多岐にわたる意見交換・情報交換を必要とします。

スポンサー・広告会社をはじめ、さまざまな関係者と理解試合って成立した提案・契約はテレビ局で働く上で大切な経験となります。こうしたセールス活動を営業マン一人一人が積み重ねることで各番組の販売枠は提供スポンサーで埋まっていきます。番組の特性と広告主のニーズを合致させ(番組特性に合致する広告主を開拓し)販売枠に空枠のない「完売番組」を増やすように心がけましょう。

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